アメリカン・スナイパー

多忙をきわめて読むのが本でない形態のほうが多い時期だけど、イーストウッドのアメリカン・スナイパーを見たのちのこの一冊は、背景理解にうってつけ。
イーストウッドが保守派であるにしても、主人公にして原作者、160人を戦地で殺したクリスがたとえ戦争を「joy」と表現していたにせよ、イーストウッドが書きたいのは戦争によって「心に残る傷」だろうことはラストの描き方を見てもわかるし、この本を読めば新たな心の病が作られる戦争の「死角」は浮き彫りになるばかり。本当に戦争に正義などないのだなあ…。
イラク戦争ベトナム戦争をとうに越えてしまっていた。
勝てないアメリカ――「対テロ戦争」の日常 (岩波新書)